ロマンティックな話

明日の講演会に向けて広島へ新幹線に乗車中です。暇なので、心温まるロマンティックな話を投稿します。長文なので暇な人や時間潰しに読んでください(笑笑)

伊豆七島の1つである新島という人口2500人程度の小さな島に僕の母親の実家があります。いうまでもないですが、僕の祖父、祖母の家です。そこの家の玄関には、下田港と思われる港町が描かれた美しい風景画が飾られております。

僕の祖父は一言で言えば変わり者。村の人々からも同様の話をよく聞きました。そして、先見の明があったとの話も耳にしました。

そんな祖父の仕事は東京都の公務員。仕事の都合上で江東区の北砂にも住まいがあり、祖父は新島と江東区の家を行き来していたようです。そんな祖父も病に伏せ59歳という若さで天国へと旅立って行きました。

そんな祖父とは対照的に、島を出る事が嫌いな祖母。しかし、祖父が亡くなったので荷物の整理があるため、慣れない江東区の家に出向き片付けをしていたそうです。滞在中ひょんなことから出かけると気づくと錦糸町の街中に迷い込んでいたようです。上述の通り、島で育った祖母は1人で都内をウロつくという行動をした事は皆無といっても過言ではないくらい都内には疎い人でした。北砂の最寄り駅は亀戸駅ですが、隣の駅の錦糸町に迷い込んだようです。そしてふと入った場所は画廊…。ちなみに祖母は絵画には全く縁のない人であり、画廊に入ったのは人生で初めて事です。そんな画廊にて祖母の目に飛び込んできたのは美しい港町の風景画でした。よほど気に入ったのか、店主にこの風景画を購入したいと伝えたところ、店主は「この絵は先約が入っていて手付金もいただいているのでお譲り出来ない。申し訳ありません。」との回答。祖母ががっかりしていると店主は続けて「でも、引き取りに来ないんです…。確か新島にお住まいの方なんですよねー」祖母は新島の人とはまた奇遇だと思い、自分も新島に住んでいる旨を店主に伝えると、店主は「偶然ですね、確かお名前が〇〇さんという方です。」それを聞いて祖母は驚きを隠せませんでした。その方は祖父だったのです。冒頭にも書いた通り、変わり者の祖父なので祖母に知らせずこの風景画を購入しようとして手付金を置いていったようです。祖母は祖父が亡くなった事を店主に伝え、残りの金額をお支払いして風景画を購入しました。その風景画が現在玄関に飾ってあるという事です。

新島からほとんど出た事がない祖母が行ったこともない街をウロつき、美術に全く興味のない祖母が画廊に入り、祖父が購入しようとした風景画と同じ物を選んで購入できた。

単なる偶然とは思えません。僕は占いとかは信じないし心霊体験もありませんが、身内で起きた事なので嘘偽りはありません。祖父が気に入った風景画を祖母に見せたくて引き合わせたのかなぁ…なんて思っています。よくよく考えるとロマンティックな話だなと思います。

今は祖父、祖母共に亡くなっておりますが、きっと2人で天国の画廊巡りでもしていることでしょうね。

 

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