超音波診断の部屋へようこそ!
ここでは、超音波診断装置(以下 エコー)の画像をお見せしていきます。医療従事者の方はもちろん、一般の方も楽しんでご覧になれればと思います。症例は適宜更新いたします。数百の症例があります故、わかりやすいものから見方が難しいものまでありますが、楽しんでいただければと思います。
【第5中足骨骨折】
上図がレントゲン写真です。矢印の部分が骨折です。
下図がエコーです。丸枠内の白い線が途切れている部分が骨折です。
【マレット骨折】
指先の骨折です。完全に剥がれてしまったので、整復して元に戻しました。
【整復前】
【整復後】
【受傷時エコー】
このまま固定して治します。
【肋骨~ろっこつ~骨折】
皆さん、肋骨骨折(ろっこつこっせつ)という病名を耳にした事はあると思います。しかし、この骨折はレントゲンでは判断が難しい事が多く、意外と誤診されがちな疾患である事を御存知ですか?まず、下のレントゲンを見てみましょう。
肋骨は、背中から胸の前を囲んでいる骨ですが、背中の肋骨と胸側の肋骨は角度が違うため、レントゲンで撮影すると前後が重なってしまい、うまく写りません。よって骨折が見えない事が多くあります。
ここで威力を発揮するのがエコーです。エコーは骨に沿ってグルリと1周観察ができるので、見逃すことを極限まで減らすことができます。
ここで、症例をご紹介いたします。
ほんのわずかにずれている骨折です。これをエコーで観察すると・・・・
骨のラインが途切れていることがわかります。この症例は、レントゲンにて骨折が確認できているので、まず見逃されることは無いと思われますが、見えない時はエコーが決め手になります。もし、病院へ行ったのに胸の痛みが中々改善されない場合は、一度骨折を疑ってエコー検査をしてみるのもいいと思います。
【アキレス腱断裂】
アキレス腱は、断裂しても痛み自体はそれほど強くはありません。断裂した瞬間は、踵に衝撃を感じるため、何か当たったのでは?と思わず後ろを振り返る人が多いです。
当院のアキレス腱断裂の治療は、装具療法にて行います。断裂して約1週間後より歩行可能です。
ちなみに院長は、整形外科勤務時代から現在までアキレス腱断裂の患者様全員装具療法にて100%の治癒率です。手術を依頼した事は一度もありません。全員完全治癒となっております。
不幸にもアキレス腱断裂となってしまった際は、ご相談下さい。
【離断性骨軟骨炎】
肘のがんと言われている疾患です。野球肘として有名ですが、実は野球との因果関係が無くても生じる厄介な疾患です。
発見された場合は、直ちに総合病院整形外科への受診を勧める疾患です。野球をプレーしている選手に発症した場合は、ノースロー、バッティング禁止、重量物を持つことさえ禁止となります。症状が出ないうちに発見したいものです。
【悪い側の肘】
矢印の部分(上腕骨小頭)が透けてみえる
【正常の肘】
矢印の部分(上腕骨小頭)に乱れはない
【悪い肘のエコー】
ラインが乱れている
【正常な肘のエコー】
ラインが鮮明に描出されている
【野球肘~内側上顆剥離障害~】
肘内側の野球肘です。少年野球の野球肘は、ほとんどがこのパターンです。肘の内側が痛いと言って来院する患者様の70%が剥がれており投球障害を起こしています。なお、この疾患も初期は痛みが出ないパターンが多く、痛みがないから心配なし!と思っていて、検査すると剥がれていて驚いたなんてことがよくあります💦
【患側 左肘】
【健側 右肘】
早めに発見できれば早く治ります。楽しく野球をしましょうね!